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世界一になる前の株式会社タニタ 〜その①〜

実家の片付けをしながら、非常に非常に貴重な雑誌を見つけた。タニタが世界一になる前、体脂肪計が発売されたばかりの年の雑誌に、父(谷田大輔)のインタビューが載っている。成功者が、大きな成功を収める前にどんな認識で過去を振り返ったり、何に気をつけて進んで行こうとしていたのか、は、実はなかなか手に入るものではない。成功した人は、その時にインタビューされ、その人の「思考の癖」みたいなもので、話を省略したりしながら話をする訳で、大きな苦労話や、その人にとって当たり前のことが、実はあっさりと語られていないことが多いと僕は思う。その意味で、世界一を達成していない、また、体脂肪計がまだヒット商品になっていない時代、父が何を語り、どこへ向かおうとしていたのかは非常に興味深い。考えさせられる部分が多いので、1ページずつ、読んでいこうと思う。

ザ・イーグル①

インタビューの最初に、父が過去のタニタを振り返って語る言葉。「それまでは儲かるものならなんでもつくるというような状態で、競争が激しくなれば撤退する、そんなことの繰り返しでした」。これは、今の父が過去を振り返る際にも同じことを言っている。ライター・シガレットケース・トースターなどなど。確かにそうだと思う。特に「健康をはかる」という今のタニタから見るとそうだ。一方で、創業者である祖父・谷田五八士は「儲かるものならなんでも」であったのだろうか。僕自身は、講演会で、「生活スタイルの西洋化が進んでいくのを見越して、これに関わる商品を手がけていた」と説明している。タバコにしてもパン食にしても、またお風呂の普及など時代の流れを読んで、それに関する商品を手がけていた、という部分では、一本の筋が通っていたように思う。既に祖父が考えていたコアな事業と、父が考えていたコアな事業は異なっていた。非常に興味深いと思う。事業承継においても、何を変えて、何を引き継ぐのか? この部分は常に悩ましく思う。

そして、業界でのポジションについて聞かれた際の一言。「もちろん当社はナンバーワン」。この「もちろん」という所が父らしいと思った。今でも「オンリーワンはナンバーワン」という話をしている通り、「ナンバーワン」というのは彼のこだわりだなと思う。「もちろん」という言葉の意味を調べると「言うまでもない」が出てくる。人間は、当り前の事は語らない。彼にとって「ナンバーワン」というのは「当り前」の事で、これを目指すのは何かをやる前提なのだと思う。「オンリーワンはナンバーワン」というのも、「ナンバーワン」という彼の価値やこだわりを表している。だからこそ、彼の価値を具現化してタニタは「ナンバーワン」になったのだと思う。

経営者が持っている価値、というのはすごいパワーがあると思う。価値を知って、それと行動が結びつく時に、大きな成果が出ると信じている。だからこそ、僕自身は講演会においても「価値」について話をする。自分が持っている「価値」に気づくと、よりパワーが出てくる。そして、今であれば、人を説得する大きな力にもなるのが「価値」である。製品の機能を説明するより、「何故」「何のために」この製品があるのかを語るで、人間は共感し動くからだ。

続きはまた後日。

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世界一企業を作ったタニタの成功法則

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