医療機関様 新人向けレジリエンス研修(2026年5月25日|東京都)

2026年5月25日、東京都内の医療機関様にて、新採用者の皆様を対象としたレジリエンス研修を実施しました。

今回もテーマは【レジリエンス実践トレーニング】です。

レジリエンスを「困難や逆境に直面した時の精神的な回復力」と捉え、自分自身の感情への気づきや物事の捉え方、自己効力感などについて、実習を交えながらお伝えしました。

今回は、前回の実施を踏まえて「もっと良い研修にするために何ができるか」を考え、いくつか新しい工夫を加えて臨みました。

その工夫がうまくいった部分もあれば、実施してみたからこそ見えてきた課題もあり、講師として非常に学びの多い一日となりました。

目次

1. 今回の研修に向けた事前準備

今回も、せっかく研修の機会をいただくのであれば、少しでも良いものにしたいと思いながら準備を進めました。

前回までの様子についてサポートメンバーとも振り返る中で、参加者同士が少しお互いの様子を見ながら話している部分があるのではないか、という話がありました。

研修では、自分自身のストレスや感情、考え方について扱います。

そのため、単に知識を伝えるだけではなく、参加者の皆さんが少しでも安心して自分のことを話せる空気をつくることも大切になります。

そこで今回は、場のつくり方についていくつか工夫を加えることにしました。

2. より話しやすい場をつくるための工夫

一つ考えたのが、私自身の経験を少しお話しすることでした。

講師が正しいことを一方的に教えるのではなく、私自身にもうまくいかなかったことや悩んだ経験があることを伝える。

そうすることで、参加者の皆さんも少し自分のことを話しやすくなるのではないかと考えました。

もう一つ行ったのが【早い段階での席替え】です。

いつものメンバーだけではなく、違う人とも話してもらうことで、コミュニケーションが広がるのではないかと考え、研修の比較的早い段階で席を移動してもらいました。

事前には、こうした工夫によって場がよりオープンになればと考えていました。

ただ、実際にやってみると、この席替えについては別の可能性も見えてきました。

3. 自己効力感の伝え方を見直す

内容面で今回特に見直したのが【自己効力感】の説明でした。

自己効力感とは、

「私にはできる」
「きっとできる」
「私なら大丈夫」

といった、自分が必要な行動を遂行できるという可能性の認知です。

研修資料では、自己効力感を高める方法として、

  • 実際に行い、成功体験を持つ
  • うまくいっている他の人の行動をお手本にする
  • 他者から励ましを受ける
  • 成功につながるような高揚感を体験する

という4つを扱っています。

この中で、これまで自分自身が少し説明しづらいと感じていたのが、4つ目の【高揚感】でした。

そこで今回は、緊張した時に起こる身体の変化をどう捉えるか、という形で説明を変えてみました。

例えば、大切な場面を前にすると心拍数が上がったり、汗をかいたりすることがあります。

そこで、

「こんなに緊張している。自分はダメだ」

と捉えるのではなく、

「体がこの場に向けて準備をしている」
「それだけ自分はこの場を大切に思っている」
「よし、やってみよう」

というように受け止めていく。

同じ身体の反応であっても、その捉え方を変えていくことができる。

今回は、そのような説明を加えながら自己効力感についてお伝えしました。

4. 当日の会場の空気と進行

実際に会場に入り、参加者の皆さんの挨拶や様子を見ていると、最初の印象としてはとても素直な雰囲気を感じました。

サポートメンバーとも、

「思っていたより、かなり素直な皆さんかもしれないね」

といった話をしていました。

その後、予定していた通り、比較的早い段階で席替えを行いました。

皆さんにはしっかりと話していただけていたと思います。

一方で、振り返ってみると、席を変えたことによって少し緊張感が高まり、それまでよりもエネルギーが出づらくなった可能性もあるのではないかと感じました。

もちろん、それが直接の原因だったかどうかは分かりません。

ただ、今回はいつもと少し違う結果も出ていたため、研修後にサポートメンバーと一緒に、何が違っていたのかを振り返ることになりました。

5. アンケートから考えたこと

今回のアンケートでは、「研修で学んだことを実践できそうか」という項目について、通常と比較すると少し数字が伸びませんでした。

また、

【自己効力感について、もっと知りたかった】

という趣旨の声もありました。

一方で、サポートメンバーからは、今回の説明について、

「これまでの中でもかなり分かりやすかった」
「全体として一貫性を持って説明できていた」

というフィードバックもいただきました。

そのため、アンケート結果がなぜこのようになったのかについては、明確な答えはまだ分かりません。

今回変えたものとして考えられるのは、早めに行った席替えや、自己効力感の説明などです。

次回については、まず席替えをなくしてみること。

そして自己効力感については、こちらから説明するだけではなく、もう少し参加者自身に考えてもらうような形も取り入れてみようという話になりました。

一度やって終わりにするのではなく、実際の反応を見ながら少しずつ改善していくことの大切さを改めて感じました。

6. 「限られた時間で何を届けるか」を明確にする

今回の振り返りの中で、もう一つ自分自身に残ったのが【期待値のつくり方】でした。

研修の中では、レジリエンスを高めるための7つのステップを扱っています。

  • ネガティブな感情からの脱出
  • 自分の思い込みを知る
  • 自信をつける
  • 長所を活かす
  • サポーターをつくる
  • 出来事を意味づける
  • 感謝の力を活かす

限られた時間の中で、これらすべてを同じ深さで伝えることはできません。

私自身、これまでは、

「今の皆さんに必要なものをお伝えするには、これで十分です」

というような伝え方をしていました。

ただ、今回の振り返りを通して、少し違った伝え方もできるのではないかと感じました。

【限られた時間なので、今回はその中でも特に大切なところをピックアップしてお伝えします】

ということを、最初から明確にしておく。

そして、研修を通して、

「ここをもっと知りたい」
「このテーマをもう少し学んでみたい」

と思ったものがあれば、それも大切な学びとして捉えてもらう。

今は書籍だけではなく、自分で調べたり、さまざまなツールを活用したりしながら学びを深めることもできます。

すべてを研修時間の中だけで完結させるのではなく、【自分がさらに学びたいテーマに気づく】ところまで含めて研修の意味として伝えていく。

このような意味づけも、次回は大切にしてみたいと思いました。

7. 講師としての振り返り

今回の研修は、自分としては事前にさまざまな工夫を考え、説明についても改善した上で臨んだものでした。

サポートメンバーからも、説明自体は分かりやすくなっていたという言葉をいただきました。

それでも、アンケートでは普段とは少し違う結果が出ました。

だからこそ、

「なぜだったのだろう」

と振り返り、次回に向けて考えることができます。

席替えが本当に影響したのか。

自己効力感の説明をさらにどう変えられるのか。

内容そのものだけではなく、参加者の期待をどのようにつくり、研修の意味をどう伝えるのか。

まだ答えが分からない部分もありますが、今回分からなかったこと自体を、次の研修をより良くするための材料にしていきたいと思います。

参加者の皆さんに本当に必要なものを、限られた時間の中でどう届けるのか。

今後も一回一回の反応を見ながら、より良い形を考え続けていきたいと思います。

8. 主催者・参加者への感謝

今回も研修に真剣に参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

また、当日の運営だけでなく、研修後にも一緒に振り返り、率直なフィードバックをくださったサポートメンバーの皆様にも心より感謝しています。

参加者の皆さんの反応やアンケートがあるからこそ、私自身も研修を振り返り、次に向けて改善することができます。

今回の研修でお伝えしたことの中から、一つでも日常で使えるものがあり、皆さんがこれから仕事を続けていく中で自分自身を支える力につながっていれば嬉しく思います。

参加いただいた皆様、そして支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

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この記事を書いた人

株式会社タニタの創業ファミリー。
同社の営業・新規事業・新会社立ち上げ、海外における役員経験を経て独立。株式会社タニタ前代表取締役社長の最も近くで、その経営学を学び、赤字企業だったタニタを成長させた「タニタの成功法則」を受け継いできた。

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