製薬会社様 管理職研修・第2回(2026年8月28日|茨城県)

2026年8月28日、茨城県にて製薬会社様の管理職研修・第2回を実施しました。

今回は、前回から実践していただいた1on1の振り返りに加え、「ものごとの捉え方」、そして後半では【部下に仕事を任せる・依頼する】ことをテーマに、ワークやロールプレイを交えながら進めました。

今回、自分自身が特に大切にしていたのは、

【この研修を通じて、参加者の皆さんの実際の行動が変わっていくこと】

でした。

内容を理解してもらうだけではなく、一つひとつの言葉が心に届き、「やってみよう」「次はこうしてみよう」と思ってもらえるところまで関わりたい。

そんな意図を持って準備し、当日を迎えました。

目次

1. 良い状態で研修に向き合うための準備

今回、事前準備で意識したことの一つが、自分自身が良い状態で研修に臨むことでした。

前日に予定を詰め込みすぎず、心と体に余裕を持った状態で当日を迎える。

それと同時に、この研修を担当する意味についても改めて考えました。

大切な仲間たちが参加してくれること。

大切な仲間が自分に託してくれた場であること。

そして、参加者の皆さんが懸命に何かヒントをつかもうとしてくれていること。

だからこそ、その思いにしっかり応えたい。

研修資料を準備することだけではなく、こうした自分自身の気持ちを整えておくことも、今回大切にした準備の一つでした。

2. 「行動変容」から逆算して研修を考える

最近、自分自身の目標として、

【世界一、行動変容ができる講師になりたい】

という言葉を置いています。

少し大きすぎるくらいの目標ですが、この「世界一」という言葉を入れたことは、自分にとって非常に良かったと感じています。

「もっとできることがあるのではないか」

「今までと同じやり方だけでいいのか」

「実際に行動してもらうために、もう一つ何ができるのか」

そんな問いが生まれるようになりました。

今回も、単に内容を分かりやすく説明するだけではなく、参加者の皆さんが研修後に実際の職場で何をするのかまで考えながら、一つひとつの内容を組み立てました。

前回の研修でも意識していたことですが、

【分かるところまでではなく、やってみようと思えるところまで】

関わっていくことを、今回も大切にしました。

3. 参加者のリアルな課題を研修に反映する

今回の研修内容については、数日前から改めて資料作成の経緯などを振り返りながら、

「今回、本当に何を伝える必要があるのか」

を整理していきました。

その中で特に参考になったのが、参加者の皆さんが事前シートに書いてくださった内容でした。

例えば、

  • 自分の考えを強く持っている部下に、どのように依頼すればいいのか
  • 本当はこうしてほしいと思っているのに、うまく伝えられない

といった、実際の職場での悩みが書かれていました。

こうしたリアルな声があるからこそ、今回は最初の段階から【部下に仕事を任せること】を大きなテーマとして置きました。

管理職の仕事は、会社や上司から言われたことを、そのまま部下へ伝えることではありません。

自分自身で意味を理解し、それを相手が理解・納得できる形に翻訳し、実際に動ける状態にしていく。

そうした管理職としての役割を考えた上で、「依頼する」というテーマに入っていくことを意識しました。

4. 「この2時間をどう使うか」から始める

研修の導入では、

【この2時間をどう使いますか?】

という問いから始めました。

同じ2時間を過ごしても、ただ研修を受けるのか、「自分の何を伸ばす時間にするのか」を意識して参加するのかによって、得られるものは変わってきます。

そこで、トップアスリートが本番を想定しながら練習している事例なども紹介しました。

ただ同じ動きを繰り返すのではなく、

「もし想定外のことが起きたらどうするか」

「失敗したら何を修正するか」

と考えながら取り組む。

研修も同じで、

【目的を持つ → 少し難しいことに挑戦する → フィードバックを得る → 修正してもう一度試す】

という循環をつくることで、同じ時間から得られる学びは変わってきます。

今回は言葉だけではなく、イメージでも捉えてもらえるように補助資料も追加しました。

研修の最初に「どういう姿勢でこの時間を使うのか」を考えていただけたことは、その後のワークにもつながったように思います。

5. ものごとの捉え方を具体的な場面から考える

続いて扱ったのが【ものごとの捉え方】です。

ここでは、

「送ったメールに2日間返信がなかったら、どう捉えるか」

といった身近な場面から考えていただきました。

同じ出来事が起きても、

「忙しいのかな」

と思う人もいれば、

「何か気に障ることをしたのかな」

と思う人もいる。

同じ事実を見ていても、そこに加える解釈は人によって違います。

さらに、自分自身がどのように解釈したのかだけではなく、

【なぜ、自分はそう捉えたのだろう】

と、その背景にも目を向けてもらいました。

例えば、部下から何かを言われた時に、

「ふざけるな」

と思うのか、

「やる気がないのかな」

と感じるのか。

その言葉の背景には、自分自身が仕事について大切にしている考え方があるかもしれません。

今回はワークシートも事前に見直し、いきなり「事実と解釈」を整理してもらうのではなく、まず頭に浮かんだ言葉を書き出し、そこから自分の捉え方に気づいていけるようにしました。

実際に参加者の皆さんが取り組む場面を想像しながら、少しでも考えやすい形へ変更できたことは良かったと思います。

6. 1on1の経験を「ギャップ」から振り返る

前回の研修後には、実際に部下との1on1を行っていただきました。

今回は、その実践を振り返ることからスタートしました。

ホームワークには7つの設問がありましたが、それを一度に全部振り返るのではなく、いくつかのパートに分け、それぞれの問いにどんな意味があるのかも考えていただきながら進めました。

特に今回しっかり伝えたかったのが、

【想定していたことと、実際に起きたことのギャップを見る】

という視点です。

1on1の前に、

  • 何のために行うのか
  • 相手はどのような状態だろうか
  • どんなことを考えているだろうか
  • 自分はどのように関わろうか

といった仮説を持って臨む。

そして実際にやってみた後に、

「想定していたことと、何が違ったのか」

を見る。

そこから、

「なぜうまくいったのか」

「もう一度やるなら何を変えるのか」

と考えることで、経験を次の行動へつなげることができます。

正解を事前に当てることが目的ではありません。

【仮説を持って実践し、そのギャップから学ぶ】

こと自体が大切です。

今回のホームワークの振り返りでは、この視点を具体的に伝えることができたのは良かったと思います。

7. 「伝えた」ではなく、相手が動ける依頼へ

後半の大きなテーマが【部下への依頼】でした。

ここでは最初に、

【依頼のゴールはどこなのか】

を考えていただきました。

上司が「言った」「伝えた」というだけでは、依頼が完了したとは言えません。

相手が、

  • 何をすればいいのかを理解する
  • なぜその仕事をするのかに納得する
  • 実際に動き出せる

ところまでつながって、初めて依頼になります。

つまり、

【理解 → 納得 → 実行】

です。

管理職には、会社や組織の目標・方針を自分自身で理解し、それを目の前の部下に合わせて翻訳して伝える役割があります。

そのため、同じ仕事内容であっても、相手によって伝え方は変わるかもしれません。

仕事は丁寧だけれど、今とても忙しい人。

意欲はあるけれど、その仕事にはまだ自信がない人。

「なぜ自分がやるのか」と感じそうな人。

表面上は何でも「はい」と言うけれど、本音が分かりにくい人。

相手の状態を考えずに依頼内容だけを伝えるのではなく、

【この人が理解し、納得し、実際に動けるためには、どう伝えればいいのか】

を考えていただきました。

8. ロールプレイとフィードバックで実践につなげる

依頼については、実際のロールプレイにも取り組んでいただきました。

最初は共通のケースを使い、その後は自分自身の職場で、これから実際に依頼する可能性がある仕事を題材にしていただきました。

単純な作業ではなく、

  • 会議資料や報告書の作成
  • トラブル原因の調査
  • 新人教育
  • 改善活動の取りまとめ
  • 他部署との連携や調整
  • 手順書の改定
  • 業務の引き継ぎ

など、相手とのすり合わせが必要な仕事を想定しました。

また、今回は相手役についても、具体的な設定を用意しました。

「今かなり忙しい」

「意欲はあるが自信がない」

「なぜ自分がやるのかと思っている」

といった状態を想定しながら、実際に依頼を受ける側になってもらいます。

そしてロールプレイの後には、相手役から、

  • 何をすればいいのか分かったか
  • 何が分かりにくかったか
  • 「やろう」と思えたか
  • 何があればもっと納得できたか
  • 実際に動き出せそうか

という視点でフィードバックしてもらいました。

さらに、

【具体的に観察したこと】

【自分がどう感じたか】

【さらに良くするための可能性】

という視点からもフィードバックを行っていただきました。

実践する。

フィードバックを受ける。

修正する。

そして、もう一度試す。

この流れを研修の中で体験していただけたことは、実際の現場での行動につなげる上でも大切だったと思います。

9. 管理職研修だからこそ、もう一歩踏み込む

参加者の皆さんとの関わり方についても、今回一つ意識したことがありました。

参加者の方がシェアをしてくださった時に、その内容を聞いて終わるのではなく、

【そこから自分たちは何を学べるのか】

まで考えてもらうことです。

ただ、いきなりそれを求めるだけでは少し難しいため、まずサポートメンバーに、

「この話から、自分ならこういう部分を聞き取ります」

という見本を示してもらいました。

その上で参加者の皆さんにも、発表そのものだけではなく、その中から学びを見つけることを意識していただきました。

また、サポートメンバーからも、

「通常の研修ではここまで踏み込まなくても、管理職研修だからこそ、ここまで考えてもらうという伝え方が、良い緊張感につながっていた」

というフィードバックをもらいました。

管理職の皆さんだからこそ、少し難しい問いにも向き合っていただく。

そして、「なぜここまで求めるのか」もこちらからきちんと言葉にする。

この関わり方は、今後も大切にしていきたいと思います。

10. 時間配分から見えた次回への課題

一方で、今回の課題として残ったのが時間配分です。

前半の「ものごとの捉え方」や1on1の振り返りに、想定していた以上に時間を使いました。

その結果、今回のメインテーマとして考えていた「依頼」のパート、特に最後の振り返りが少し駆け足になってしまいました。

ただ、1on1の振り返り自体は、参加者の皆さんにとって大きな学びになっていたようにも感じています。

そのため、

「時間がかかったから削る」

という単純な話ではないと思っています。

想定より時間がかかった時に、

【今日はどこを最も大切にするのか】

をその場で判断し、残すところと調整するところを決める。

その柔軟さについては、さらに高めていきたいと感じました。

内容をしっかり深めることと、研修全体の時間をマネジメントすること。

その両方をより高いレベルで実現することが、次回への課題です。

11. 講師としての振り返り

今回改めて感じたのは、研修を「うまく実施する」ことと、参加者の行動が実際に変わることは、同じではないということです。

自分が説明できたか。

予定していたスライドを全部使えたか。

時間通りに終わったか。

もちろん、それらも大切です。

ただ、自分が目指したいのは、その先にある、

【参加者が職場に戻って、何か一つ行動を変えること】

です。

だからこそ、事前シートに書かれたリアルな悩みを拾う。

ワークシートを少しでも取り組みやすくする。

1on1の振り返り方そのものを伝える。

依頼を「伝える技術」で終わらせず、「相手が動けるところまで」と定義する。

ロールプレイの相手役まで具体的に設定する。

フィードバックを受け、修正し、もう一度試すところまで体験してもらう。

一つひとつは小さな工夫ですが、

【どうすれば実際の行動につながるのか】

という問いを持つことで、できることはまだまだあるのだと思います。

今回うまくいったことも、時間配分のように改善したいことも、すべて次の研修をより良くするための材料として活かしていきたいと思います。

12. 主催者・参加者への感謝

今回も、このような学びの場を託してくださった主催者の皆様、本当にありがとうございました。

そして、一つひとつの問いに向き合い、1on1の実践を振り返り、ロールプレイにも真剣に取り組んでくださった参加者の皆様にも、心から感謝しています。

皆さんが懸命にヒントをつかもうとしてくださるからこそ、私自身も、

「もっと良い時間にできないか」

「もっと実践につながる方法はないか」

と考え続けることができます。

また、当日の運営だけでなく、参加者の様子を見ながらフィードバックをくださり、一緒に場をつくってくださったサポートメンバーの皆様にも、改めて感謝しています。

今回考えた「ものごとの捉え方」や1on1の振り返り、そして部下への依頼が、それぞれの職場での具体的な行動につながっていけば嬉しく思います。

今回も貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

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この記事を書いた人

株式会社タニタの創業ファミリー。
同社の営業・新規事業・新会社立ち上げ、海外における役員経験を経て独立。株式会社タニタ前代表取締役社長の最も近くで、その経営学を学び、赤字企業だったタニタを成長させた「タニタの成功法則」を受け継いできた。

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