建設機械メーカー様主催「事業継承」講演会(沖縄・3月6日)
今回は「事業継承者の極意」ということで、「なぜタニタの事業継承が上手くいったのか」という所でお話をさせて頂いた。初めてのテーマではない。ただ、すごく難しいテーマであるし、同時に自分自身がすごく大切にして取り組み続けて来たテーマ。改めて自分を振り返り、再度考える機会を頂けたことにとても感謝している。
4人兄弟の三男として生まれ、タニタ赤字時代が小学校3年位〜6年生で、父親がほとんど家にいなかったこと。小さな子供4人を育てるのに、母も精一杯。わがままを言わない子供に育った幼年期。これが、今も人に頼るのが下手な自分だったり、欲しい物を言葉にしづらい自分を作っている事にも改めて気づく。
高校2年の時に、㈱タニタがヘルスメーターで世界一になって、父親を「素晴らしい経営者」と認識して進んできた人生。人間が言葉を使って人を記憶し、体験を記憶し、だからこそそこでどんな言葉を使って認識したのかが大きな影響を与えるというお話もできた。また、だからこそ、親子関係で事業継承していく難しさ。いつまでも「子供」。いつまでも「親」。人それぞれに過去、いろんな言葉を使い、自分や相手を大雑把にくくっている。現在の、本当の、自分とは。大切にしたい相手とは。そして、僕自身が、成功を分析して、それをタニタに持って帰ろうとずっとずっと行ってきたこと。それぞれ事業を継承していく人達が、自分の会社の成功をどう分析して活かすのかをお伝えした。
講演やセミナーは、自分にとってとても大切なものである。50回以上やらせて頂いて、慣れてきたかと言われれば、「分かりやすくて、聞きやすい。」「すごく役に立った。」という声があったり、伺った講演を聞いてもう一度呼んでくださる事も増え、慣れてきたと言える。でも、いつも自分の限界いっぱいの所で話をしている。ジャンルは異なるが、一流ホテルで総料理長をやられている方とご一緒した時に、その方が「僕はいつも塩加減悩むんです」とおっしゃっていた。複数の有名な一流シェフのトップにいらっしゃる方が謙遜を・・・と思ったが、「気候も毎日違うし、来られる人も違えば、体調も違う。だから難しいんです。」と。僕はそこまでの領域ではないが、常にこうありたいと思う。時期が異なったり、タイトルが異なったり、参加される方の状態や欲しいものや問題も異なるし、会場も異なれば、時間帯が異なる。そんな中、いつもその時のベストを出しきって終わりたい。そんな気持ちでやらせて頂いている。やればやるほど、うまくなっていると思うし、自分自身に新たな発見があり、とても充実した時間を過ごし、今回も終わった。参加頂いた皆様、素敵なアレンジをして下さった主催者様に深く感謝。ありがとうございました。また新しいチャンジにつながる講演会でした。