タニタ体脂肪計が何故出来たのか?
タニタ社のターニングポイントはいくつかあった。その中で大きいのは、やはり事業ドメインを「体重計ビジネス」から「体重ビジネス」に変えたことである。「体重計」と言っていた時には、「耐久性」「精度」を上げることにリソースが割かれていたのだが、「体重」と言った瞬間に、「体重とは何か?」と言った「人の体」や「健康」に焦点が当たった訳だ。親父としては、そこから「体重科学研究所」を作り「ベストウェイトセンター」を作るという具体的な行動に移した。結果、先日書いたような医師からのアドバイスを頂き、体脂肪計の開発につながっていった。
親父がよくやっていることを観察していると、「俯瞰する」という事が言葉としても出てくる。親父は20代中盤で、アメリカに渡り仕事をしたのだが、1年でその会社が潰れてしまう。せっかくなので、自動車を買って半年間アメリカ国内を横断。有名企業を訪ねると同時に、趣味である美術館を回っていたらしいのだが、そこでお金持ち、繁栄している企業が事業ドメインを変えられずに衰退していく様を見てきている。この体験が、長期視点で企業を眺めるという習慣を作ったのではないかと思う。よく言われる「鉄道会社」が「人を移動させる事業」と事業ドメインを定義して「鉄道」を離れることができれば、「自動車」や「飛行機」と言った産業にも事業を広げることが出来たわけで、「事業ドメイン」の重要性を古くから認識していたことが分かる。「本業を深堀りする」という親父の言葉の中には、事業の本質を見極め、そこからから離れて考えるという「俯瞰」がキーになっている。
ちなみに、親父の成功がどうやって作られてきたのかを探るべく、親父と話をしているけど、人間は自分のことを「当たり前」だと思っている。親父の講演会に行くと、親父のエネルギーとか迫力は伝わるんだけど、親父が「当たり前」と思っていることは省略して話がされる。「もっとここ語って」って話しても、「当たり前だろ」と。だからこそ、本人しか伝えられないことと、僕自身が伝えられることってあると思う今日この頃である。
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