映画「体脂肪計タニタの社員食堂」の感想
「もったいない。」というのが第一印象だった。きっとたくさんの優秀な方々が関わって制作が進んだのだと思うが、きっとタニタ社から、何かコアとなるようなものを見つけられなかったのではないかと思った。
実は、本当にタニタ社員食堂を立ち上げた初代の管理栄養士の方と一緒に試写会へ行った。ご存知と思うが、あのレシピは歴代の管理栄養士さん達が作り上げていったもので、その一番の基礎を作った方だ。
第三者としてこの映画を見れば楽しめたのかもしれない。しかし、何よりダイエットを苦しいものとして描いているシーンが多い。停滞期についての指導も「そこまでやらない」というのが正直な感想。500kcalとか「低カロリーがいい」というメッセージに聞こえる。映画に出てくるような社員の方を指導するとして、「恐らく毎日3,000〜4,000kcal摂取している人に、いきなり1食500kcalにすると飢餓状態になる。例えば1食であれば800kcalからスタートする。」というのがプロの意見。その人に合った量を取るのが、もともとのコンセプトのはず。運動の仕方としては、普通に「歩く」というのがオススメだろうし。そして管理栄養士とか指導する人は、映画のような乱暴な言葉遣いはしない。
フィクションというのは分かっている。コメディだから誇張した部分があるのも分かる。だけど、あんまり僕にとっては気持ち良くない。映画のメッセージとして、「自分を嫌いにならない」というのがあるのなら、映画を見終えた人達に、自分を好きになるようなダイエットのヒントも欲しかった。あの苦しいダイエットを見て、仮にその手法を試して、できない・・・となる人達が増えないように。そもそもの社員食堂を作った親父や、その管理栄養士さんにインタビューする機会をアレンジすれば良かったのに。本当にもったいない。今こそ、信頼性が高くて、温かくて、新しい、そんなメッセージを出すチャンスだ。
一緒に見た管理栄養士さんが言っていた。「体重ってそんなに減るもんじゃない」。この前指導した方で良かったと思っているのは「3食食べられるようになった事」で「生活が変わった事」。ダイエットというのは「生活様式」というギリシャ語が語源になっていると聞いたことがある。それは生き方そのものと僕は思う。心も体も幸せになるような生き方を伝える。改めてそう思った。
ちなみに映画で初代社長として描かれている親父は、あんなに怒鳴ったりする人ではない。人を信頼し、任せる人だ。そしてタニタ社の会議は、ダジャレや冗談の飛び交う柔らかな雰囲気の方が多かったと思うのは、私だけだろうか。フィクションとはいえ、それを信じてしまう人も多いだろう。こんな部分を受け入れた親父や会社の方たちの懐の深さには感服した。あと優香さんのファンの私は、インド舞踊の優香さんを見れた事が救いであった。
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