地方銀行様主催講演会(2024年11月25日富山県)
先日、富山県小矢部市内にて、地方銀行様主催講演会でお話しさせていただきました。今回のテーマは「タニタ創業家が語る事業承継 ~何を守り、何を変革するのか?~」。参加者は中小企業の経営者や管理職の方々が中心で、事業承継の実務や現場での課題を深く掘り下げる内容となりました。私自身が経験した事業承継の実例をもとに、参加者の皆様が抱える課題や悩みに寄り添いながらお話を進めるようにお伝えしました。
講演内容のポイント
◎タニタの事業承継の現実を共有
タニタ社の歴史と創業者(祖父)から2代目(父)への事業承継を中心にお話をしました。赤字時代を経て、体脂肪計、社員食堂につながっていった事業承継がどのように行われ、何を大切にされていたのかお伝えしました。他の講演では「成功例」を語ることが多いと思いますが、私自身の経験を踏まえ、「どこの事業承継も簡単ではない」という現実も共有しました。このアプローチにより、参加者との共感が生まれ、多くの方が自身の悩みや課題に対する気づきを得られやすいのではないかと考えています。
◎強みを見つけることの重要性
タニタ社の先代も、強みを意識しながら体脂肪計を開発したり、また新規ビジネスの立ち上げにおいても強みを意識していた実際の事例をお話しました。そして、参加者の皆様にも企業や個人の「強み」を発見し、それを活用する大切さをお伝えしつつ、強みを発見するための具体的なエクササイズや、ポジティブ心理学に基づく考え方もご紹介しました。
◎価値観の承継と変革のバランス
ドラッカーの「価値基準を設定せよ」という言葉を引用し、経営における価値観の重要性を説明。タニタの社員食堂の設立を例に挙げ、経営者の価値観がどのように具体化され、組織の文化を形成したかをお話ししつつ、価値観を言語化する大切さと方法についてお伝えしました。
◎講演後の交流で得た学び
講演後、多くの参加者と直接お話しする機会がありました。特に印象的だったのは、事業承継後5年の経営者の方との会話です。その方が真摯に事業と向き合い、次世代のために努力を続けている姿勢に深く感動しました。
**「苦しみながらも進む」**という経営者の覚悟に触れ、私自身も「このような方々の役に立ちたい」という原点の思いを再認識しました。
◎事業承継講演の意義
この講演を通じて、事業承継の難しさや苦悩を共有しつつも、未来への希望を感じてもらうことができたのではないかと思います。参加者の皆様が、「守るもの」と「変えるもの」を見極めながら、強みを活かし、価値観を軸にした経営を行い、次の世代へ繋ぐ道筋を描けるようサポートできたなら幸いです。
ご参加いただいた皆様、そしてこの機会を提供してくださった主催者、そしてエージェントの方に深く感謝申し上げます。
今回の経験を通じて、「共にいい会社を作りたい」という気持ちをより強く抱くことができました。これからも、事業承継に取り組む皆様の一助となる活動を続けていきたいと思います。参加者の皆様の会社が、これからも発展し、多くの人々を幸せにするビジネスを続けていくことを心より祈念しております。ありがとうございました!