神戸大学授業(2025年7月2日 神戸)

1. 授業の振り返り
今回の授業は、神戸大学で行われた「コミュニケーション学 実践編」の最終回でした。
新幹線の中で準備を進めながら、これまでの集大成として、学生一人ひとりが真剣に学びに向き合える場を作ることを意識しました。
特に大切にしたのは、「真面目に学びたい学生が、安心して学べる環境づくり」です。
授業の中では、ふざけた言動や集中を妨げる行動が出ないように、テンポや声のトーンを工夫し、全員が最後まで集中できるようリードしました。
また、ペアワークでは「90秒プレゼン」の形式をとり、
- どちらが先に話すか
- 宣言内容を明確にしてから話すこと
- 前回のフィードバックを踏まえて今回何を意識するのか
を具体的に伝え、時間管理と目的意識を持たせるようにしました。
2. 授業内容と進行
テーマは「母校の学生に、自分の人生に影響を与えた人や出来事を話すとしたら何を伝えるか」。
学生たちは“高校生の自分に話すつもりで”プレゼンを行いました。
プレゼンの前には次のような問いかけをしました。
- あなたの話を聞く相手はどんな悩みを持っていると思う?
- どんなことを伝えたら喜ぶだろう?
- どんな言葉を当時の自分にかけてあげたい?
また、「人生の目的は、過去の自分を救うことでもある」という考え方を紹介し、
「高校時代の自分に語りかけるように話してみよう」と伝えました。
授業では、事前に準備した「発表時に気をつける10のポイント」も活用し、
全員が集中して取り組めるようにテンポよく進行。
プレゼン後には、学生同士での1分間フィードバックを行い、
観察・主観・今後への提案という3ステップでのコメントを実践しました。
3. 講師としての振り返り・今後の工夫
今回、他の先生への授業引き継ぎを行いましたが、すべてを任せるのではなく、自分も介入する覚悟を持つという姿勢で臨みました。
説明はできるだけ具体的に、たとえば「A、谷田です」「Bの山田です」という実演を交えて指示することで、学生が迷わないようにしました。
また、見えない部分での準備、すなわち「授業前にどれだけ構成と意図を磨くか」が授業の質を大きく左右することを改めて実感しました。
毎回の積み重ねが、学生にとっての良い学びの体験を生む——それを改めて感じた授業でした。
4. 授業を終えての想いと感謝
神戸大学での授業が始まってすぐにコロナ禍に入り、最初はオンラインでの試行錯誤からのスタートでした。
ようやく対面で実施できるようになり、仲間の先生達とともに神戸の地に立てたことは、私にとって大きな喜びでした。
この授業を通じて得たものは、学生たちの成長だけでなく、教育に真摯に向き合う先生方の姿勢からの学びでもありました。
特に、神戸大学のある先生のように、専門性を持ちながらも常に謙虚に「教えてください」という姿勢を持ち続けることへの尊敬の念を改めて感じました。
授業後には他の先生と過ごした時間、学生たちと交わした言葉、
神戸の街でのひととき——そのすべてが貴重な思い出です。
この機会をくださった先生、そして関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
神戸という土地は、私にとってこれからも特別な場所であり続けると思います。